結核に感染しても、必ず発病するわけではありません。通常は免疫機能が働いて、結核菌の増殖を抑えます。ただ、免疫力だけでは結核菌を殺すことはできないので、免疫力が弱まると発病するというケースが増えています。

 もしも、結核に感染し、発病したとしてもタンの中に結核菌を出していない軽傷の患者の場合は、他人にうつす恐れはありません。重症患者も、結核の薬を飲み始めると、タンの中の菌は激減します。咳が止まれば周りの人に感染させる危険性は少ないので、心配する必要はありません。

 結核を正しく知る事が、結核予防の第一歩です。結核は、注意をしていればそれほど怖がる必要はありません。2週間以上咳が続くようでしたら、必ず医療機関を受診しましょう。早期発見は本人の重症化を防ぐだけではなく、大切な家族や職場等への感染の拡大を防ぐためにも重要です。

 抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症になりやすく、生命を危ぶむことすらあります。結核を予防するためにBCG接種を受けましょう。予防法の改正により、赤ちゃんへのツベルクリン反応検査は廃止され、BCGは直接接種になりました。一生のうち一度だけの機会です。生後6ヶ月までに受診しましょう。

 DOTS(ドッツ)とは直接服薬確認療法のことです。つまり、医療従事者は患者に薬を処方するだけではなく、患者が服薬するところを目の前で確認し、支援する方法です。

 結核と診断されても、6ヶ月間毎日きちんと薬を服用すれば治ります。しかし、症状が消えたからといって、治療の途中で服薬を止めてしまうと、菌が薬への抵抗力をつけ、薬が全く効かない多剤耐性結核菌になることもあります。これを防ぐためにもDOTSは有効です。

 予防法の改正により、DOTSの推進は強化され、入院患者に対する院内DOTSから始めて、退院者への手厚いケアを行う地域DOTSの必要が叫ばれています。

 現在でも、結核の集団感染の発生はなかなか減りません。高齢者の間では、若い頃に感染しそのまま発病せずに眠っていた菌が、体力・抵抗力が低下した時に目を覚まし発病することがあります。

 また、若い世代の多くは結核に感染しておらず結核菌を吸い込むと感染しやすく比較的早い時期に発病する事があります。このように結核に対するリスクがあるにもかかわらず、結核は過去の病気と思いこみ、症状が現れても本人も医師も気付かず、受診や診断が遅れ、集団感染につながる場合が増えています。

 しかし、これまで述べたとおり、結核は注意していれば予防する事ができますし、もしも発病してしまっても薬を飲み続ければ治る病気です。また、タンの中に菌を持った患者からしか結核が感染することはありません。感染してしまったとしても発病する確率は10人に1人程度です。身近なところに結核が発生しても、過剰に恐れることはありませんが、心配な場合は最寄りの保健所にご相談下さい。

 なお、結核は継続して治療が受けられるように、結核予防法に基づく結核医療費公費負担制度により治療が公費により負担される場合があります。このような負担制度の詳細につきましても、同様に最寄りの保健所にご相談下さい。


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※内容:結核パンフレット「結核の常識2005」より

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