プロジェクト進行状況
第一健康相談所診療部長 増山 英則
事業部普及課国際協力室主任 久保田登子 ◆現状
ルンビニプロジェクト(以下TCPLR)は、ルンビニヘルスセンター(以下ルンビニHC)に カルマハワとマシーナ両ヘルスポストをサブヘルスセンターとして加えた3カ所で実施されています。 1998年3月からはマシーナに代わって人口の多いスリブラヘルスポスト(人工2万5千人)がサブセンターに なります。ネパール国の指導下、同国結核予防会(NATA)ルパンデヒ支部が調整の役を担い、 中心となるルンビニでは、国の医師とTCPLRの検査技師、 脱落患者追跡者が協カしてDOTSを導入した治療活動を行っています。
◆治療成績
1996年11月中旬〜現在までの患者は161名。うち新患の塗抹陽性は72.3%でした。 新患塗抹陽性の2ヵ月後菌陰性化率は70.2%であり若干低いです。 同じく新患塗抹陽性の治療成功率は71.4%で目標値85%には届きませんでした。 登録数が35人と比較的少ないため、死亡4人、脱落2人が影響したと考えられます。 これにはホーム ビジターを増員して脱落に対処することになりました。また陰性化率と成功率が低い要因として、 耐性結核、DOTSの不徹底、再治療者の新患者への混入、インドからの住所を偽った者の存在 なども考えられ、今後はN ATA側との症例検討の実施も考える必要があると思われます。
◆方向性
TCPLRは当初、国の結核対策がカバーしていなかった地域で、国の方針を尊重すること を前提に、何もないところから独自に進められました。やがて体制が整い成果を上げ、国の対策も向上 してくると、その指導下に入り協力して行われるようになりました。
TCPLRはこの地域で 国が対策を実施する土台を築いたとも言えます。しかし、成績にはまだまだ向上の余地があり、 周囲にはカバーされていない地域も多く、TCPLRが行えることは多いと思われます。ただし、国側 とNATAの共存による今後の運営には、今まで以上に協調していくことが不可欠で す。
増山団長自らDOTSを
実施
現在TCPLR調整委員には、国立結核センターバム所長、JICA、結核対策プロジェクトチーム、 監督機関である西部地区結核センターヴァルマ所長ら国の関係者を加え、積極的に調整を図っています。 「国の結核対策に準拠したDOTSでよい成績が得られておリ、応援していきたい」 「NGOと国の調整が重要で、TCPLRを両国結核予防会との連帯のもと続けていきたい」と の支援のことばをヴァルマ所長から聴けたことは心強いところです。
また、プロジェクトの必須事項である評価活動について、 本会が行ってきた治療成績の分析を、次からは国の結核対策の評価様式を用いてNATAが 実施することになりました。国の対策とTCPLRとの統合性、並びにNATAの実行力が さらに高まるものと思われます。
◆新たな可能性
国のDOTS成功地域と呼べるヌワルパラシ郡では、治療成功率は90パーセント程度といいます。 ここでは各分野の担当者が、単に指導者の指示で現場で役目を果たすのではなく、計画段階から関わっ ていく参加 型プロジェクト(PCM. Project Cycle Management)手法が初めて 試みられています。TCPLRの参考とするため参加した現地のワークショップでは担当者たちの 熱心さに感心しました。NATA本部とルパンデヒ支部の職員も参加し、TCPLRの可能性も 広がるのでないかと思われました。
また、近々、隣接するバイラワ市でも国がDOTSを始めることとなりました。同じ郡内であることか らTCPLRが得ることも多いと思われ、よりよい体制が築かれることが期待されます。
技術評価に参加して
総務部職員課 市川雄司
結核予防会が独自の国際協力活動として行っているTCPLRは1998年で5年目になります。 プロジェクト自体も2期目となり、対象地域も広がり、またDOTSの導入により 治療方法にも変化が出てきました。
| DOTSワークショップ会場 |
| ルンビニHCで台帳をチェック |