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国際協力事業


世界の結核の現状








結核はHIV/エイズ、マラリアと並ぶ「三大感染症」であり、世界の感染症による死因の第一位を占めています。慢性感染症として、社会の中にしぶとく残り、特に貧困層や社会的弱者と呼ばれている人々の中でまん延し続けています。

2014年には、960万人が新たに結核を発病し、150万人が亡くなりました。
その95%は、保健医療の整備の遅れや貧困の問題を抱える途上国の人々です。これらの国では、結核は身近な

健康問題です。

医療費の負担や労働力の低下を招く結核は、貧困を深刻化させる社会経済的な課題ともなっています。

大人だけでなく、年間100万人の子供たちが発病し、14万人が命を落としました。
治療が難しい多剤耐性結核のまん延は世界的な脅威となり得ます。年間の発病者は48万人、死亡者は19万人にのぼります。また、結核はHIV感染者の主な死因であり、アフリカを中心としたHIV/エイズとの重複感染も深刻な問題です。
結核は治療できる病気です。しかし、発病する人のうち、3分の1以上の人は適切な診断や治療から取り残されています。

※数値はWHO(世界保健機関)推計値
















国際協力のミッション

「結核予防会は結核分野の専門的技術、知識、経験を活かした研究・技術支援・人材育成・政策提言を通じ、すべての人々が結核に苦しむことのない世界の実現を目指す。」
結核予防会は、国際協力ミッションの下、世界の人々と連携して、結核制圧のための活動を行っています。
フィリピン、カンボジア、ザンビアには事務所を設置し、現地に根差した活動を進めています。

各国における活動

世界の結核問題はWHOの指定する22か国の結核高まん延国に集中しています。
結核予防会は、プロジェクトの実施やセミナーの開催、専門家による技術支援により、結核高まん延国を中心に結核対策の推進を支援しています。
国レベル、草の根レベルの結核対策推進支援、現地NGOの活動支援、結核診断技術をはじめとする技術分野の支援などを行っています。
また、近年は、これらの活動経験を活かして感染症対策への支援も行っています。

現在の主な活動国

<アジア>カンボジア、タイ、ネパール、フィリピン

<アフリカ>ケニア、ザンビア

これまでの主な活動国

<アジア>インドネシア、中国、ラオス、パキスタン、バングラディシュ、ベトナム、ミャンマー
モンゴル

<アフリカ>エチオピアガーナ、スーダン、ジンバブエ

<その他>アフガニスタン、イエメン、ソロモン、バナーツ

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現在の主な活動国

<アジア地域>

カンボジア

カンボジア事務所のFacebook(日本語・英語)はこちらからご覧になれます。

「カンボジア国国家対策プロジェクト・フェーズ1 フォローアップ協力」(2014年11月〜)

(JICA事業)

新しい結核診断機器の普及拡大を受けて、WHOが結核症例の定義および記録報告の枠組みの改定を行ったことに伴い、カンボジア国立結核センターは全国一斉に関係者に新しい記録用紙の記載方法や新しい診断アルゴリズムに関する研修を行いました。しかし、研修モジュールや国家結核対策プログラムガイドライン等の改定までには至っておりません。本プロジェクトでは、これらの改定及び改訂後のガイドラインの周知徹底のための支援を行っています。



















カンボジア結核予防会との協力事業  (2005年〜)

複十字シール募金支援事業

カンボジア結核予防会と協力して結核対策の共同プロジェクトを実施しています。現在は、プノンペン市において工場労働者を対象に、結核の診断と治療の促進のための支援を行っています。工場内の診療所から、結核が疑われる労働者を検査のためにヘルスセンターへ紹介し、診療所での治療を支援するほか、ワークショップを開催し、結核の知識の普及啓発を行っています。







◇トピックス 胸部デジタルX線 検診車のカンボジアへの寄贈とその背景

カンボジアの全結核有病率は人口10万対764人で、結核高まん延22か国の中では2番目に結核の多い国とされています。結核予防会は2013年にカンボジア結核予防会(CATA)へ検診車を寄贈し、日本の経験を生かした積極的な結核患者の早期発見(結核検診)をカンボジアで普及する第一歩を刻むこととしました。

□掲載記事はこちらからご覧になれます。









○過去の事業

・「プレイヴェン州ピアレン医療圏結核診断体制強化プロジェクト」(2014年3月〜2016年6月)(外務省日本NGO連携無償資金協力事業&複十字シール募金支援事業)

◆関連記事「複十字No360」

・「カンボジア国結核対策プロジェクトフェーズ2フォローアップ協力」(2013年8月-2014年3月)(JICA事業)

・「カンボジア国全国結核有病率調査を中心とした結核対能力強化プロジェクト」(2009年12月〜2013年1月)(JICA事業)

・「カンボジア国結核対策プロジェクトフェーズ2」(2005年9月〜2009年8月)(JICA事業)

・「カンボジア国家結核対策プロジェクト」(1999年8月〜2004年9月)(JICA事業)

◆関連記事「複十字No349」

・「TBCARE」事業(2010年10月〜2014年12月)(米国国際開発庁支援事業)

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タイ
チェンライの結核/HIV研究機関との協力事業

複十字シール募金支援事業

山岳民族や移民が多いタイ最北のチェンライ県は、HIVと結核の感染が高い地域の一つです。

チェンライ県の結核/HIV研究機関(TB/HIV Research Foundation)と協力して、結核ハイリスクグループを対象とした結核のケア・対策強化のための教育や住民への結核の知識の普及啓発を行っています。

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ネパール
現地NGO、 JANTRAとの協力事業  (2008年〜)

複十字シール募金支援事業

首都カトマンズには結核患者が集中しています。現地NGO、JANTRA(Japan-Nepal Health and Tuberculosis Research Association)と協力して、都市としての結核問題を抱えるカトマンズにおいて、患者発見の向上を目指した活動を行っています。クリニックにおいて結核菌検査・服薬支援を行うとともに、地域の中での結核の知識の普及や婦人ボランティアによる患者支援体制を強化しています。








□事業評価報告書(2010年度国際開発協力関係民間公益団体補助金事業)はこちら
からご覧になれます。

◇ネパール地震被災地支援

2015年4月のネパール震災にあたって皆様からの義援金により、現地NGO,JANTRAが行うカトマンズにおける震災復興支援プロジェクト等を通じて、被災地を支援しています。

◆関連記事「複十字No364」

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フィリピン

フィリピン事務所のFacebook(英語)はこちらからご覧になれます。

マニラ首都圏都市貧困地区における結核対策支援 (2014年〜)

複十字シール募金支援事業

フィリピンでは、結核が死亡原因の第6位であり、依然深刻な病気です。なかでも、都市貧困地区では、劣悪な住居環境や栄養不良状態のため結核に感染して発病するリスクが高く、また、経済的理由などから受診が遅れる傾向にあります。そのため、結核の病状が悪化するだけでなく、周囲の人へ感染させてしまう状況をもたらしていると考えられます。 結核予防会は、2008年以降、都市貧困地区であるマニラ市トンド地区とケソン市パヤタス地区を対象に、住民が適切な結核のケアを受けられるよう、行政機関、保健所、NGOを巻き込んだ官民連携のネットワークを構築して、地域の結核対策を支援するプロジェクトを開始しました。2011年から2014年6月まで、関連団体のネットワーク強化に加えて、感染と発病の効果的な予防対策のため、結核患者の接触者を対象とした結核健診強化による積極的患者発見、小児やHIV感染者における潜在性結核感染症の診断と治療、多剤耐性結核疑い患者の確実な診断、小児結核対策の推進等を実施しました。具体的には、保健医療従事者や保健ボランティアを対象とする研修、関連団体間の結核疑い患者や結核患者の紹介メカニズムの構築、地域住民へのACSM(Advocacy, communication and social mobilization)、DOTSセンターや結核疑い患者紹介センターへのモニタリング評価、オペレーショナル研究等の活動を行いました。2014年7月以降は、オペレーショナル研究を中心に活動しています。








○過去の事業

「マニラ首都圏都市貧困地区における結核感染・発病予防モデルプロジェクト」(2011年6月〜2014年6月)

(JICA草の根技術協力事業&複十字シール募金支援事業)

◆関連記事「複十字No359」

「フィリピン国マニラ首都圏都市貧困地区における結核対策プロジェクト」(2008年5月〜2011年5月)

(日本NGO連携無償資金協力&複十字シール募金支援事業)

◆関連記事「複十字No341」

◆事業報告書(フィリピン)フェーズT

◆事業報告書(フィリピン)フェーズU

◆事業報告書(フィリピン)フェーズV

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<アフリカ地域>
ケニア
「ケニア国結核対策アドバイザー派遣」(2014年7月〜)

JICA事業

ケニアはWHOの指定する22か国の結核高負担国のひとつで、2012年の罹患率は人口10万対272と高く、中でもHIVと結核の重複感染問題や多剤耐性結核患者の増加などの診断・治療が困難なケースに対しての対応が求められています。

患者の早期発見のためには結核菌の喀痰塗抹検査や、多剤耐性結核に対して培養検査・薬剤感受性検査の技術向上と検査精度管理体制の強化が必要です。そこで、2011年から、専門家を派遣して、国家標準検査室を中心とした全国的な検査室ネットワークの構築と検査技術の向上を支援しました。

その後、地方分権化による保健サービス体制の変化に伴い、報告・検査体制の再構築が急務となっています。そのため、2014年7月からは、新体制に即した各地域における報告体制の強化、検査精度の向上、外部精度管理の強化、培養・薬剤感受性検査の精度保証のための支援を行っています。








○過去の事業

「結核対策アドバイザー専門家派遣」(2011年3月〜2013年3月)(JICA事業)

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ザンビア

ザンビア事務所のFacebook(英語)はこちらからご覧になれます。

「チョングウェ郡におけるコミュニティ参加による包括的な結核及びHIV対策強化プロジェクト」(2015年12月〜)

日本NGO連携無償資金協力&複十字シール募金支援事業

アフリカ南部に位置するザンビアでは、近年HIV/エイズのまん延に伴い結核患者が増加しており、結核はHIV感染者の最大の死因です。 HIV感染者が結核を発病すると、致死率が高い、特に早期の結核の診断と治療が重要です。ルサカ州チョングウェ郡にて、保健省とチョングウェ郡保健局と協力して、結核患者の発見と治療支援及び診断能力の強化に取り組みます。主に、コミュニティで患者の治療継続サポートや早期発見のための啓発活動を行う結核ボランティアを育成するとともに、X線検査、結核菌検査などの診断と患者管理について郡病院やヘルスセンターの医療従事者に対し、本会の専門家が技術的指導を行います。
保健省によると、ザンビアでは年間約2万人の結核患者が適切な診断・治療を受けることが出来ていないと推定されています。結核予防会は、2008年より首都ルサカ市で結核対策の支援事業を行い、早期発見、治療継続の改善を支援してきました。一方、地方では保健医療サービスの整備が遅れています。これまでルサカ市で培った経験を活かし、チョングウェ郡の人々を結核の脅威から守る体制を強化するとともに、都市部と地方部の格差是正にも繋げていきます。
















○過去の事業

「住民参加による結核診断・治療支援モデル拡大プロジェクト」(2012年4月〜2015年4月)

JICA草の根技術協力事業&複十字シール募金支援事業

◆関連記事「複十字No363」

◆事業報告書(ザンビア)フェーズT

◆事業報告書(ザンビア)フェーズU

◆事業報告書(ザンビア)フェーズV

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人材育成

国の結核対策をリードする人材を養成するため、結核研究所では、JICAから委託を受け、途上国の結核対策担当官、検査技師等を対象とした国際研修を実施しています。

1963年の開講以来、およそ100カ国、2000人以上の卒業生が母国で活躍しており、そのネットワークは、国際連携の強化にもつながっています。

また、将来的に結核の分野で国際協力を行う日本人を養成するための研修も実施しています。

詳細は結核研究所国際協力・結核国際情報センターのページをご覧ください。

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研究

開発途上国の結核問題と対策の改善を目的とした研究や、日本と同様の問題を抱えている結核中まん延国の対策についての比較研究などを行っています。 研究の多くは国際協力活動における経験や情報を生かして実施され、今後の活動の向上に資することを目的としています。

  詳細は結核研究所国際協力・結核国際情報センターのページをご覧ください。

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世界の結核情報の収集・管理提供

各国の結核情報(各国の結核情報及びその関連分野に関する情報の収集・管理を行っています。

詳細は結核研究所国際協力・結核国際情報センターのページをご覧ください。

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国際連携

国際的なレベルで結核根絶に取り組んでいる世界保健機関(WHO)、ストップ結核パートナーシップ、国際結核肺疾患予防連合(The Union)、結核サーベイランス研究ユニット(TSRU)等のメンバーとして、スタッフが運営及び調査や研究等の活動に参加しています。


また、結核研究所は「WHO指定協力センター」に指定されており、結核のサーベイランス、調査、研究、研修、各国の結核対策への技術的助言、抗酸菌レファランスラボラトリーの活動を通じて、WHO西太平洋地域事務局に協力し、当該地域の結核問題の改善に尽力しています。

 

結核をめぐる世界の動き

2000年の国連サミットで採択された、21世紀の国際社会の方向性を提示する国連ミレニアム宣言は、それまでの開発目標とあわせて「ミレニアム開発目標(MDGs)」として統合されました。2015年までに達成すべき8つの目標の1つには、HIV/AIDS、マラリア、結核等の疾病のまん延を防ぐことが明記されています。

また、2002年には、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」が設立され、国際社会から大規模な資金を調達し、途上国が行う事業に提供しています。日本はその主要なドナー国となっています。

一方、WHOは、結核に関するグローバルパートナーシップとしてストップ結核パートナーシップ(Stop TB Partnership)を設立、2006年、新たな「ストップ結核戦略」を策定し、ミレニアム開発目標の指標を補足するものとして、2015年までに「結核死亡数と結核有病率を1990年における数値から半減させ」、2050年までに「世界の結核罹患率を人口100万人対1人以下とする」ことを掲げました。

ストップ結核パートナーシップ(事務局:ジュネーブ)は、100か国以上、1,300のパートナーが参加する国際連携機関です。日本では、2007年にストップ結核パートナーシップ日本(STBJ)(事務局:結核予防会内)が設立され、結核予防会もパートナーの一員として活動しています。

このように、世界が連携して結核の征圧に乗り出す中、日本においても、2008年7月に、外務省、厚生労働省、JICA、結核予防会、ストップ結核パートナーシップ日本が共同で、「ストップ結核ジャパンアクションプラン」を発表し、日本の官民が連携して結核対策の国際協力に取り組むことを表明しました。

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世界結核戦略

MDGsの達成期限である2015年を前に、WHOは2014年5月、2015年以降の世界結核戦略を採択しました。『End TB Strategy』と呼ばれるこの戦略の中では、「結核による死亡、発病及び苦しみをゼロ」の「結核のない世界」をビジョンに据えて、「結核の世界流行の終息」をゴールとしています。数値目標を設定し、この達成のために活動の3本柱を掲げています。

<目標>
2025年までの中間目標
-結核死亡数の75%削減(2015年と比較して)
-結核罹患率の50%削減(2015年と比較して)(人口10万対55未満)
-結核医療費による家計破綻を作り出さない
2035年までの最終目標
-結核死亡数の95%削減(2015年と比較して)
-結核罹患率の90%削減(2015年と比較して)(人口10万対10未満)
-結核医療費による家計破綻を作り出さない

<活動の柱> 1.統合的な患者中心の結核医療と予防、2.大胆な政策と支援システム、3.研究と技術革新の強化
この動きを受けて、「ストップ結核ジャパンアクションプラン」も、2014年7月に全面改訂されました。
結核予防会は、これらの世界の動きに呼応して、ストップ結核ジャパンアクションプランの実現に向けて, 活動を進めています。

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