

この半世紀を超える歴史の中で、本会は、結核予防の研究・研修・教育・普及などあらゆる分野で大きな役割を果たし、国を挙げた結核対策と公衆衛生に貢献して参りました。
本会創立当時、結核は「群を抜いて大きな国民病」でした。現在、新規患者届出数は当時の約20分の1以下にまで減少していますが、これは結核対策の重要性が薄れたことを意味するわけではありません。高齢者では結核が増加し、都市部の若年者や住所不定者、外国人の結核、多剤耐性結核など、結核はいまなお、偏在する「しぶとい」感染症として新たな対策が求められています。また、多くの途上国では、結核が依然として公衆衛生上の重大な問題であり、日本の優れた結核対策から学びたいとの大きな期待が寄せられています。
一方、国民生活の豊かさ、社会の高齢化を反映して数々の生活習慣病が新たな国民病として出現しています。我々が常に強い関心を持ってきた胸部疾患だけでも、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、アスベスト中皮腫、非結核性抗酸菌症などが増え続けていますし、メタボリックシンドローム対策も看過出来ません。本会が今までの経験・知識・組織・人材を生かし、こうした疾患等への対応についても活躍の場を拡げることは、時代の要請であり、国民のニーズでもあります。
本会は、今後も「結核予防会」の名称のとおり国内外の結核制圧に重点を置いて活動を続けることは言うまでもありませんが、私どもに課せられた社会的使命を果たすため、「結核対策」、「国際協力」、「呼吸器疾患対策」、さらに「生活習慣病対策」、この4分野に活動を拡げています。人々の健康の管理と増進に貢献すべく事業を進めて参りますので、皆様のご理解と一層のご支援の程をお願いいたします。
平成20年8月
財団法人 結核予防会
会長