COPDと肺のしくみ
COPDとは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとったもので、長期間の喫煙習慣によって引き起こされる肺の生活習慣病です。一般に、タバコ病とも言われます。タバコなどの有害な空気を日常的に吸い込むことによって、肺に慢性的な炎症が生じます。
そのため気道が狭くなったり、肺胞の壁が壊れたりして肺に十分な空気の出入りができなくなります。自然な呼吸では息を吐き出すのが難しく、気がつくと口をすぼめて息を吐き出すようになってきます。身体の現象としては息切れやせき、たんが出ます。ひどくなると、息苦しく人工呼吸器がないと生活ができなくなります。
もしかしたらあなたもCOPD?思い当たることは?
- 風邪でもないのに咳や痰がつづく。
- 痰がねばつき、膿が混じったように見える。
- 呼吸するとき、ゼイゼイ、ヒューヒューいう。
- 朝方に頭痛がする。
- 坂道で息切れを感じる。
- 歳のわりに疲れやすい。
呼吸機能の検査を受けたことがありますか?
COPDかどうかを判断するには、スパイロメトリーを使った検査が必要です。努力肺活量(息を最大限に吸って、強く吐き出したときの息の量)と1秒量(最初の1秒間で吐き出せる息の量)を測定し、1秒率を算出します。
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この1秒率が70%未満の場合、COPDの可能性があります。胸部レントゲン検査やCT検査、動脈血中酸素量の測定などを行い、COPDの診断が確定します。自覚症状がある場合は、呼吸器科を受診してみてください。
まずは禁煙から
COPDの90%は喫煙が原因といわれています。タバコによって肺の加齢が進む病気です。COPDと診断されたら直ちにタバコをやめることです。それが病気の進行を遅らせるための第一歩です。タバコをやめたいけど、どうしてもやめられないという方は、禁煙外来にかかることをお勧めします。一定の条件を満たせば保険適用となり禁煙補助薬を処方してもらうこともできます。
またCOPDは、禁煙、運動療法、薬物療法、食事療法など適切な治療を行うことで、肺の機能を改善し、せきやたん、息切れなどの苦しい自覚症状を抑えることが期待できます。