理事長あいさつ

結核予防会は昭和14(1939)年に設立されました。結核予防会理事長 工藤 翔二 くどう しょうじ

結核予防会(JATA)は、昭和14(1939)年の設立以来、日本の結核対策を推進する中核的な役割を果たしてきました。戦前戦後の結核の高まん延時代には、たくさんの人が結核に苦しみ、命を落としました。

しかし、この80年にわたる官民一体となった努力によって、罹患率はかつての50分の一、人口10万対13.3(2017年)まで低下しました。これは世界に誇れる成果です。今、私たちは次の目標である、欧米並みの低まん延国(10万対10以下)を目指して努力しています。

世界では今なおアジア・アフリカを中心に1,000万人が新たに発病し、130万人が死亡しています(2018年、WHO)。日本でも近年は外国出生者の結核患者が増加し、20歳代ではすでに60%以上が外国出生者です。

今は、日本の結核対策と世界の結核対策を、車の両輪のように進めなければならない時代になっています。複十字シール運動をはじめとする啓蒙普及活動や新興国に対する国際協力事業の推進に努めていきたいと思います。

結核予防会の総裁秋篠宮妃殿下は、この度国際結核肺疾患予防連合(IUATLD)の名誉会員になられました。結核研究所(清瀬市)は長年、結核の研究と対策に力を尽くしてきましたが、とりわけ人材育成については、国内の結核従事者研修として1941年から現在までに約10万人が受講しています。

さらに、昭和38(1963)年に始まった国際研修の受講者は、現在までに世界97か国、2,300名を超え、新興国の人材育成に役立っています。

今、結核予防会は、長年の結核対策の経験を活かして、「健康日本21(第二次)」が求める肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患と、糖尿病や循環器疾患など生活習慣病の予防を軸として、医療と国民の健康維持に力を尽くしています。

医療では、厚生労働省の「高度結核専門施設」、肺がん、大腸がん、乳がんの「東京都がん診療連携協力病院」に指定されている複十字病院(清瀬市)、そして同じ医療圏にあって、整形外科、循環器などを特色とする新山手病院(東村山市)が、一体となって地域に根ざした医療を進めています。

また、国民の健康維持のために、総合健診推進センター(千代田区)と全国47の都道府県支部は、健康診断と人間ドックを通して、結核・肺がん・COPDなどの肺疾患と生活習慣病の早期発見と予防を推進しています。結核予防会ならではの全国ネットワークが特徴となっています。

私達の課題は大きいですが、結核予防会の本部と各事業所ならびに全国47都道府県の支部の皆さまはもちろん、関係諸団体,本会に連なるすべての皆さまのご助言とさらなるご支援を頂きながら、歩みを進めてゆきたいと思います。どうかよろしくお願いします。