結核予防会の今年のイベントは、「結核制圧のための田無タワーライトアップ」 厚生労働省の標語は『元気ですか、はい(肺)!』~結核健診を受けましょう~

毎年9月最終週(24日~30日)は結核予防週間です。例年この時期に合わせて、結核予防会の全国支部では結核制圧のための複十字シール運動キャンペーンを展開しています。今年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、従来のような街頭での募金活動や、一般の方を集めての研修会、肺年齢測定会など目立った活動ができなくなっています。

結核は世界では毎年1千万人が発病し、150万人が死亡する最大の感染症の1つです。国内でもまだ15,590人が発病し、2,204人が亡くなりました(結核の統計2019)。結核は、患者の咳やくしゃみなどのしぶきといっしょに、結核菌が空気中に飛び散り、長時間空気中に漂うその菌を吸い込むこと(空気感染)でうつる感染症です。感染したかどうかを調べるには血液検査(IGRA)が有効です。また風邪のような症状で発病することが多く、痰検査や胸部X線検査で確定診断できます。新型コロナウイルス感染症が感染後、数日で発病、重症化するのに比べ、結核は感染後数週間から数か月(時に数年)後に発病します。発病初期は症状がごく軽い人もあり、定期健診のX線撮影が有効です。健診の機会を逃さないようにして下さい。

新型コロナウイルス感染症は今のところ確定した治療方法や薬はありませんが、結核は、診断、治療、予防法が確立しており、治せる病気です。しかし、診断の遅れや治療の遅れなどによって重症化したり亡くなる人もいます。

新型コロナウイルスの流行は結核対策にも影響を与えています。日本国内でも例年春に行われる定期健診・学校健診ができずに本来なら見つかるべき結核患者の発見が遅れたり、受診が遅れたり、発見しても接触者への対応が遅れたりしています。新型コロナウイルスの流行は、世界の結核対策を10年遅らせるのではないかと懸念されています。 長引く咳は赤信号。 咳と微熱が2週間続いたら結核を疑い、早めにお医者さんにかかってください。